マリオット 会員ステータスの更新で何が起きていたのか?

Marriott Bonvoyのロイヤリティプログラムでは毎年 会員ステータスの更新が実施されます。

今年(2020年)もやや遅い時期になりましが、3/22に更新が世界中で一斉にされました。

その内容に世界中の会員から悲鳴が起きました。

既に多数の会員さんはご存知の事だと思います。

マリオットは前年度の宿泊実績に応じて翌年の会員ステータスを決定します。2020年なら2019年 1年間の宿泊数に応じた会員ステータスを今年度に適応して更新されます。

これも既存の会員さんは良くご存知の事だと思います。

年間に25泊以上ならGold Elite, 50泊以上ならPlatinum Elite,75泊以上ならTitanium Elite,100泊以上+マリオットで年間に20.000米ドルを利用したら Ambassador Eliteと言う基準で決定します。

次に残念ながら 各Eliteランクの宿泊数に満たなかった場合はランクダウンになるのですが、過去、表向き 公式には宿泊数に応じたランクダウンとアナウンスされてきたのですが、実際にはワンランク ダウンの処置になって ソフトランディングの体制を維持して来たのです。

昨年は事実 ワンランクダウンで更新されて今年も 大半の会員さん(先ずは殆どの方でないか?)は予想していた事ですし、実際には昨年の年末や今年の2月迄の日本デスクへの問い合わせたらワンランクダウンだとアナウンスされて来ました。但し、確約したものではないからと一言 注釈はあったと 言いますが、それは後になって とって引っ付けた言い訳にしか聞こえませんでした。実際には「ワンランクダウンです。」と言い切っていた担当者もいたのですから「 今更 何を言ってるのか?」「約束はどうなった?約束は守れ!」と憤慨した会員さんは多数いました。

日本の会員さんは宿泊実績に満たなかった 各エリートステータスは必ずしも宿泊数に反映してるとは言えないものの 2ランクダウンになったのです。

Titanium EliteならGold Elite,へダウン、Platinum EliteならSilver Elite,へ そしてGold Eliteの方は提携クレジットカード(SPG AMEX、AMEX Platinum)を所持してない場合はSilver又は一般(member)にまでランクダウンの処置になってしまいました。

日本国内では極一部の会員さんを除いて大半がこのような処置をとられたのですが、米国本国の会員さんは実際に宿泊数で判断されて Titanium Eliteから一気にmemberにランクダウンになった方もいました。4ランクダウンですよね‼️

しかし、中国やその周辺の国の会員さんに対してはランクダウンなしで そのままエリートステータスを維持させて期限も延長されると言う特例処置がとられたのですが、日本は米国と中国との間の処置 ぐらいの物だったのでは とマリオットは国によって 個別の対応をしたようでした。

3/22に突然 マリオット本部から各国のマリオットデスクに今回の更新内容が通知されて 同時に実施されました。勿論 各国のマリオットデスクの担当者は更新の内容は寝耳に水でした。ワンランクダウンの処置ではなくて かなり厳しい対応の処置だったからです。日本では日付が変わった真夜中に更新となりました。当然の如く マリオットの日本デスクには問い合わせの電話が殺到してパンク状態になりました。

同じように提携カードを発行しているAMEXにもかなりの問い合わせがありましたが、勿論 AMEXはマリオット会員のアカウントに関する事は何も返答する事は出来ないのでかなり困惑していました。

3/22の更新については日本国内だけではなく、世界中からマリオットに対して問い合わせが殺到したのは容易に想像出来る事だと思います。

しかし、3月末と言う時期は米国、ヨーロッパ諸国、そして日本も同じように コロナウィルスによる感染者の爆発的な増加でそれどころではなくなり マリオット本部がある米国のメリーランド州も大変な状況下にあって マリオット本部のスタッフは殆ど勤務が出来ない状態でしたので マトモな対応は望める事すら困難でした。 事実 日本のマリオットデスクから本部に問い合わせを入れても殆ど繋がらないか 数日間も返答が返って来ない状況が続いていました。

そして 更新された直後から数日間は日本のマリオットデスクの返答は「今回はワンランクダウンではなく、ほぼ宿泊数に応じて判定された内容の結果です。」と言うようなものでした。

実際に問い合わせをされた会員さんはそのように説明を受けたのです。

ところが そこから数日後に変わり始めました。

問い合わせをして「何故 2ランクダウンしたのか?そんな事は聴いてなかった」 と言うと 対応が変わったのです。「約束通り、以前からアナウンスをされていたワンランクダウンにしてくれないのか?して欲しい。」とリクエストすると最初は「申請してみますが、審査があるので希望通りになるか?確約は出来ませんが、ご希望を伝えます。希望が通った場合は24~48時間位迄にステータスが変わっています。しかし 残念ながら通らなかった場合はそのままですのでご了承下さい」と変わったのです。

少しばかり希望の持てる回答でした。

ところが 同じように希望した会員さんのステータスが変わり始めました。勿論 この出来事は直ぐにSNSを通じたり 直接伝わったりで 瞬く間に拡がりました。チャンスとばかりに希望が殺到して スタッフは対応に追われて 最初は勿体ぶって いかにも特例処置なのだ 、としていた やり取りも次第に その場で分かりました。と結論を出してしまう事になったのです。

一体 この変わりようは何なのか?このような状況はマリオット内部で何が起きてるのか?

すぐさま 私はマリオットの知人に確認しました。

彼は最初はどうなってるのか状況を掴みかねているようで 詳しい事は分かっていなかったのですが、直ぐに返答していました。

私はその返答を聴いて 驚愕しました。

確かにマリオット本部では2月の終わり頃には今年の会員の更新はワンランクダウンによるソフトランディングではなく ほぼ宿泊数に応じた基準で判定して実施する事を決定したのです。

コロナウィルスの影響によって不利を受けた国々の会員に対しては別途 対応する事にして その他の国々の会員に対しては今回 決定した基準で判定して更新すると言うものでした。

しかしその頃から 急速にコロナウィルスの影響は世界中に拡がり状況は一気に変わりました。

マリオットグループの全世界のホテルの平均稼働率が、20%を下回り 中には移動制限や都市の封鎖によってほぼ休業状態になったホテルが続出したのです。勿論 今も殆ど状況は変わりませんし、日本 国内では 緊急事態宣言を受けて国内のマリオットは都市部の極一部のホテルを除いて 殆どが休業しています。

マリオットの懐具合が世界中で急激に悪くなりだしたのです。

他のホテルチェーンの殆どは予め 会員ステータスの期限延長を発表してステータスの更新を先送りしました。要はランクダウンは無しで現状のステータスの期限延長をしたのです。

他のホテルチェーンはマリオットの出方を待って 様子を伺っていたのです!

そしてマリオットの更新の内容を知るや一斉に自社の更新を延長してステータスの維持を保証しました。

まるでマリオット包囲網を形成するかのように各 チェーン殆ど横並びの内容でした。

マリオットの更新によって離れてしまう会員の取り込みを謀ったようでもありました。

マリオットは判断を誤りました。マリオットは他のホテルチェーンもおおよそ 同じように更新をして変わりないだろう。と当初は判断していたようです。  

マリオットはステータスを更新によってランクダウンさせて そのステータスの期限延長を発表しました。

何やらマリオットだけが渋い ケチ臭いなー!と思われた方は多数いると思います。

「これでは他のホテルチェーンに会員が流れてしまうのでは?」 世界中でマリオットを運営する 各 運営会社は危惧しました。

ところが マリオットだけが取り残された感は本部でも直ぐに知れ渡る事になったのです。

しかし、マリオットの上層部は直ぐに動く事はなく、暫く様子を見る事にしました。

一度 決定した会員ステータスの更新を覆すのは逆にマリオットの信用を落とす事になるから と危惧したのです。いとも簡単に変更する事はMarriott Bonvoyそのものを安く叩いてしまうものだと思っていたようです。

しかし、事態はどんどん悪化していきました。

「今のままでは多数の会員が他のホテルチェーンに流れてしまう。何らかの対応が必要だ。」

マリオットは上から下まで同じ考えになりだしたのです。

そして 突然の決断が出されたのです。

各国のマリオット デスクに対して全て 共通する内容ではなかったものの 期限と条件付きで救済処置(ワンランクアップ)を各マリオットデスクの判断でしても良いと指示を出したのです。ちょうど会員の更新が実施されてから10日余り過ぎた4月の初めの事です。

通常は各会員のアカウントでステータスに関する変更の権限はマリオット本部でしか出来ないシステムですが、今回ばかりは多数の処理を殆ど機能していない本部で出来ない為 各マリオットのデスクに一時的に権限を委譲して対応させる事になったのです。

勿論 今迄にこのような例外はありません。

そして2020年2月迄と期限限定で申し出た会員に対して 過去(昨年~今年3月)の利用で一定の基準を満たしている会員にはワンランク アップの救済処置をしたのです。勿論 この時点では全ての会員がOKにはならなかったのですが、日を追うごとに甘くなってしまい ついには殆どの申し出た会員は救済を受ける事になったのです。

詳細は未だに不明ですが 期間の途中でマリオット本部から何らかの指示があって 殆どザル状態になりました。

そして極めつけは2021年の2月迄としていた期限限定まで 4月のゴールデンウィーク前にマリオット本部が正式に2022年2月迄と当初の期限を1年延長する事を決定したのです。

会員のホームページにアクセスしてログイン後に概要を見ると 各会員の会員資格の有効期限が表示されていますので 会員なら誰でも確認する事が出来ます。

マリオットはかなり 窮地にあったようです。

それも私達が想像するより遥かに悪い方にすすんでいたようです。

ランクダウンさせて会員の利用を絞り込むどころではなく、逆にワンランクアップさせてまで コロナウィルスの影響の終息後には多数の会員を利用してもらうように 背にはらを変えられない マリオットの緊急事態の発動だったのです。  

このマリオットの対応は決して 誉められたものではありません。

マリオットが得意とする会員ステータスに関するドタバタ劇は今に始まった事ではないのは 会員なら誰もが良く知っている事です。

2018年8月のSPGとのプログラム統合によるドタバタ劇の混乱は誰もが記憶にあることです。

今回もそれと同じてつを踏んでいるように思えます。

大きな流れの中での決定と程遠い その場その場の対応で 先の見通しが非常に甘いのではないか?とさえ思われます。まぁ 変わり身の早さと言えばマリオットの特長なのかも知れません。

マリオットの多数のスタッフと私達 会員は今後もあの CEO  アーン・ソレンソン氏とその一部人達によって振り回されて行く事になるのでしょうね‼️