台風15号によって 分かった事

自然災害に対する意識の差がはっきり出てしまいました。

台風15号による被害を受けられた地域の皆様心よりお見舞い申し上げます。

恐らくは想定外の事ではなかったか?と思いますが、本来 自然災害は常々 想定外の事ばかり起きます。

昨年の台風21号は非常に強い勢力で上陸して京阪神地区を直撃しました。

前もって非常に強い台風が来るぞ!と構えていたにも関わらず被害は大きくなりました。

特に人口密集地帯の大阪湾沿岸を直撃しましたので暴風による被害は想像を絶するものでした。

今回の台風15号は台風の右側に入った千葉県の被害が大きく 被災された方々は大変な想いをされてる事だと思いますが、これはもう 不運としか言い様のない不幸な不可抗力です。

誰の責任でもなく、自然と言う猛威が千葉県を中心に襲いかかってしまったと言う事になります。

但し、残念と言うか、悲しいと言うか、各自治体(お役所)を宛にしても無理があります。

恐らくは千葉県の各自治体はこのような台風の直撃によって受ける被害等はライフラインの東電やJRも考えもしてなかったのだと思います。

このような経験は殆ど積んでないだろうし、過去の他の地域での被害等を参考にすらしてなかったのですから まともな対応等することも出来ないし、期待も出来ません。

関西より西の地域では毎年のように台風被害はありますし、台風以外の自然災害等は1年中 何処かで起きています。

そう言った災害を受ける頻度は関東を中心にした東日本よりはかなり高いと言えます。

その分 手痛い目に逢いながらも経験は積んで来ました。しかし、それでも甚大な被害は受けてしまいます。

但し、台風襲来に際しては予め 出来る対策はスムーズにやれるようになりましたので 以前に比べると自治体の対応は良くなりました。

台風等の被害は1つの県単位ではなく、その地方 広域に及びますので 単に各自治体だけでは手に負えないものです。対応出来るキャパシティを遥かに超えてしまう事なので元々 対応等は無理な話しなのです。なので あれが悪いとか、やれ人災だとか言っても何も解決しません。

自治体として出来る事を精一杯やって貰うしかないのですが、最終的には自分の事は自分で守るしかないのです。

これは日本全国 何処に居ても同じ事なのですが、とりわけ災害の多い地域の住民は自治体をそれほどあてにはしてません。

してられないのです。特に人口の少ない自治体等は非常事態に出来る事は殆ど何もありません、早い目に避難して下さいと連絡するのが精一杯ですから 被害が起きた後の対応等は何一つ満足に出来るものなどないのです。

災害対応出来るだけの職員数はいませんし、他の消防や警察機関に頼らざる得ないのです。

それとて人手不足なのでどんなに不満をぶつけても組織的に無理なのです。

ですから災害なれした地域の住民は最初から自治体等は頼りせずに自分たちで何とか乗りきろうするのです。勿論 災害派遣自衛隊は精一杯 対応してくれるので それには大いに感謝します。

今回の台風によるJR東日本の計画運休も対応が不味かったですね! 計画運休では先輩で経験も積んでいるJR西日本を参考にしなかったのでしょうか?

中途半端な運転再開のアナウンスは予定が大巾に狂って 余計に混乱を招く結果となりましたね、計画運休を発表するタイミングも悪い(ギリギリ迄 待って 遅すぎる為に企業や商業施設の対応も遅くなってしまいました) 恐らくは空振りや運休した影響の大きさを考えたのかも知れませんが、徹底ぶりがまるでありませんでした。

あれでは運休の影響より中途半端な運転再開をアナウンスして混乱や麻痺状態にした事の方が社会的な影響は甚大だったと思います。

空振りだったらどうするか?その時に受ける苦情の方が大変なのでは等の姑息な理由も大いにあると思われますが、関西の場合は計画運休は徹底しているので 苦情が来ても全くぶれなくなりました。

空振りの苦情を受けるよりは 安全対策や後の運転再開をスムーズに行う体制の方が遥かに大切な事なので それを恐れずに躊躇する事なく早い目に計画運休のアナウンスをして実施するのです。

今では空振りだったと苦情を入れる方々も減って 逆に苦情を入れた方が 「こんな時に何を言ってるんだ」とばかりに白い目で見られるようになりました。

実はこう言った利用者の理解が災害時には非常に重要になるのです。

自然災害の前には自分たちだけが良いなんて考え方は逆に被害を大きくしますし、復旧の最大の障害になります。

それは企業も同じで「運休したら内の会社はどうなるんだ、損害はどうしてくれる?」なんて言ってる企業は社会的に抹殺されてしまうほど世の中の価値観は変わりました。

先に触れたように1つ自治体だけでは手に負えない災害ははやり 地域通しで助け合い応援出来る体制が必要となります。

残念ながら 関東ではお互いの県通しが助け合うような非常事態に対応出来る組織体はないのですね!

各県が全く連携もなく 応援出来る体制も整ってないようでは これよりもっと酷い災害が起きたら 小さい自治体や余裕のない県は大変な事になります。

勿論 国や自衛隊は全面的にサポートはしてくれますが、どうしても初動は遅くなってしまいます。

国と言う組織体が動くにはそれだけ時間がかかってしまうのです。これは今迄の日本全国で起きた災害について国の対応がスピーディーにされた事など殆ど無いことに目を向けると分かります。

今の組織上では国が動くまでにはどうしても その組織の構造上 時間がかかってしまうのです。

なぜなら 管轄する各省庁が縦割り行政の為に内閣(政府)が調整するのに時間がかかってしまうからです。

外国のように災害時における一切の権限を一時的に与えて全て優先的に出来る非常事態省や緊急事態省があればスムーズに行くのですか、日本の役所組織では各省庁の利害関係の調整に時間がかかってしまうのです。

都道府県知事が自衛隊に対して災害派遣を要請する方がよっぽど早くなるのですが、これとて県の知事によっては躊躇したり遅くなって 後手後手になってしまいます。(特に知事や副知事が被災した阪神 淡路島地震ではかなり遅くなって被害が拡大しました)

今回の千葉県知事の自衛隊への災害派遣 要請は遅かったですね!

阪神淡路島地震の教訓を元に関西では広域の災害や非常事態に対応する為に各県通しで助け合う 関西広域連合が出来ました。

これはひと度災害が起きたら連合に加盟している県がお互いに助け合う体制です。

一切合切の権限は各県の知事が持って 関係機関を股がって一本化してスムーズに実施する体制なので初動は国より遥かに早くなります。

東日本大震災の時には被災した東北の各県や自治体に対して 関西広域連合は国より早く手分けして応援に入りました。

東北の各県と協定を結んでないにも関わらず 国の一大事として真っ先に応援に入ったのです。

 

このような組織体が関東にはないのが残念ですが、今回の台風被害を期に作るべきではないか?と思います。